【FGO】期間限定イベント「鬼哭酔夢魔京 羅生門」【継戦1 仕切り直し】
レイシフトしてたどり着いたのは桜の咲き誇る京の街。
一見すると美しい景色だけれど、
そこにいる人々は何かがおかしい・・・・・・?
甘い匂いに誘われるがまま進んだ先で───金太郎と鬼退治?
夢か幻か、強大な鬼を相手に総力戦に挑む事となったマスター。
闘いの先に待つものとは?
・前回まで
異常観測されたデータを追って、平安の京にレイシフトしたカルデアマスター藤丸立香とマシュ、そして坂田金時。
酒気が香る京の都は、酒に酔ってヒャッハー!する京戦士達が暴れまわっていた。
事態の収束を図るため、酒気の匂いの元へ進む一行の前に、魔力の霧を纏った羅生門と、そこを守る鬼、茨木童子に遭遇する。
金時の顔を知る茨木童子は、同じ鬼である酒天童子の力を得て、人間への復讐を目論んでいた。
茨木童子の暴走を止めるため、今再び、京の都で鬼退治の幕が切って落とされた。
「許さぬ。許さぬぞ人間――――――――。」
なんとか逃げ延びた。
片腕は、無い。
忌々しい人間に切り落とされた。
なんて醜態。なんて生き恥。
誇りを踏みにじられ、行き場も無い。
それでも生き延びてしまった。
「殺してやる。全ての人間を殺してやる――――――!」
今は生きよう。
腕を失おうとも、生きて、復讐してやる。
あぁ、痛い痛い。
この痛みは私しか知らない。
そんなの嫌だ嫌だ嫌だ。痛い痛い痛い。助けて助けて助けて。
母上、私は、こんなに、、、、、、
目を疑う光景だった。
彼の雷撃を受けてまともに立っているサーヴァントなんてそうそう居ない。というか、無事だったヤツを見たことがない。
今、目の前で余裕の表情で笑う茨木童子以外は・・・・・・、
娯楽に興じるように、こちらを嘲笑った後、茨木童子は地面を大きく蹴ってひとつ飛びで門の向こう側にジャンプした。
茨木の後を追おうとした金時を、マシュが止める。
二人の戦闘は激しすぎて、こちらの被害の方が甚大だった。
『呑まへんの?』
酒天童子は、その黄金に輝く酒坏を吾に向けた。
「酒天、それはきっと良くない。良くない物が混ざっておる!そんなもの呑んだら・・・」
『でもぉ、この甘ぁい匂い。蕩けそうやぁ』
そう言いながら、彼女は心底美味しそうに酒坏を傾けて、中の酒を口に注いだ。
『こぉんなに美味やのに、茨木はうちの酌を断るの?』
「――――――。」
甘い。狂ったように甘い果実の香り。
それこそ、脳味噌まで蕩けそうなぐらい、甘く、痺れた。
「酒天よ―――――――吾は・・・・・・」
そこから先は覚えていない。
ただ、その手に浴びた生暖かい人の血の感触だけ、茨木童子は覚えていた。