【FGO】Epic of Remnant 亜種特異点I 悪性隔絶魔境 新宿「新宿幻霊事件」【第12節 華麗ダンス】
歪んだ歴史を修復しようとする時、膨大な取りこぼしが発生する。
排斥された狂気が作り上げた脚本。
忘れ去られた世紀末の神話。
かつてない規模の殺人事件が、亜種特異点となって完成する
完全犯罪計画、起動―――――幻霊よ、背徳の街で踊り狂え。
・前回まで
新宿を支配する悪のモリアーティの目的は、惑星破壊だった。
しかし、どんな強力な宝具でも惑星は破壊できない。しかし、悪のモリアーティは「魔弾の射手」の能力を幻影として融合することで、どんなもの(隕石)でも必ず対象物に当てる能力を手に入れていた。
それを阻止するため、まずは新宿のアサシンを倒す計画をカルデアチームと行動を共にする善のモリアーティが立てる。
重要なのは「色気」ということで、一行はブティックで服を調達したのだが・・・。
そこは隔絶された新宿の外れにあるパーティ会場。ホームズの資料によれば、そこで新宿のアサシンが夜な夜な豪華なパーティを開いているということだった。
いつの間にか入手していたパーティの招待状を手に、一行は新宿のアサシンを止める作戦を実行に移した。
会場に潜入したのは3人。ドレスコードに身を包んだアルトリアとジャンヌ。歴戦の英霊の雰囲気を見事に打ち消し、「色気」と呟いたモリアーティの作戦通り、現代の新宿に溶け込んでいた。
なお、二人は化粧や衣装合わせが自分でできない(片や王様、片や農村育ち)ので、コーディネートは変装の達人のホームズ監修である。
新宿で調達した材料を使って、モリアーティは即席の簡易通信機を作り上げていた。耳元に取り付けるイヤリング型なので、一見なんだかわからない。
ウチのアサシンのエミヤも似たようなことを言っていたな。。。
そう、会場に潜入したのは3人。
つまり、後の一人は・・・・・・
モリアーティが満面の笑みで渡してきたのは女性用の服だった。
散々っぱら抗議したが、なぜかホームズもノリ気で、二人の勢いに負けてここまで来てしまったが、改めて大衆の前でとなると死にそうになる。。。。
▼参考
http://dic.pixiv.net/a/%E3%81%90%E3%81%A0%E7%94%B7%E5%A5%B3%E8%A3%85%E4%BA%8B%E4%BB%B6
と、いきなりアルトリアが近くの男に声をかけた。
続けざまに二人目。ま、まさか。
第一特異点オルレアンの最終決戦以来の邪悪な笑みを浮かべたまま、ジャンヌに後ろから羽交い締めにされた。
女の子でも竜の魔女と呼ばれたサーヴァント。一度捕まれば自力じゃ抜け出せない。。。
現代文化に馴染みすぎていませんかねぇ・・・!
(それ犯罪)
あの・・・・。
その・・・見えてしまいますので・・・。
いやいやいやどうしてそうなるの!?
今すぐにでも逃げ出したいが、下手に騒ぎは起こせないし、何よりがっちり掴んだアルトリアの握力が逃してくれない。
ダンスの経験なんて生まれてこの方無いので、仕方なく動きはアルトリアに合わせる。さすが、王様というだけあってステップや振りは手慣れたもののようだ。
そうだったのか、直感すげぇ。
中身は日本男児ですよ。
オレにしか聞こえない大きさで、モリアーティの声が聞こえた。
踊りながらも周囲の状況を観察していたのか、アルトリアが耳元で囁いた。
瞬間、奥の扉から出てくる集団に目をやる。
ほぼ無意識に溝内に一発いれてやった。
扉の奥から護衛を引き連れた集団が現れた。
武装した雀蜂の中心にいる人物が恐らく変装しているアサシンだ。
その姿は・・・。
ソウダネー。ヨリニモヨッテアルトリアニバケテイタンダネー
アルトリアは、いつの間にかエクスカリバーを片手に持っていた。
今すぐにでも殺してやりたいという明確な殺意を物語っている。
こちらの制止も聞かずに、エクスカリバーに魔力を込めるアルトリア。あと5秒で会場が炎熱タワーリング地獄・・・。
(あ、やばい。目が合った。)
予想通り、テンパってる。しかし、予想外にこちらの黒騎士王も(別の意味で)テンパってた。
ドンという銃声に近い音。何をしたのか早くて見えなかったが、護衛の一人を殺したのは見てわかる。
とたんに奥の扉から雀蜂が隊列を組んでぞろぞろ現れた。
と、同時にカルデアの通信を開始する。
あわわわ緊張感が・・・
というわけで真名を取り戻した教授の真の宝具「終局的犯罪(ザ・ダイナミクス・オブ¥アステロイド)」により、雀蜂を蜂の巣に。
姿はよく見えないが、たしかにそこにいる。
それは二人組だった。若い男女のカップルのようにも見える。
ただ、夥しいほどの魔力反応がある。確実に強敵だ。
愛に溺れ、溶け合う二人の周りは、本当に溶けている。「溶けるような愛」が現実を巻き込んでいる。
(どうやら愛だの恋だのという分野は見ているだけでイライラする人種の様子)
亡霊となったエミネーは確かに強力だが、それでもサーヴァントの戦闘能力には及ばない。
なおかつこちらの二人の淑女はキレ気味なので、出力がいつもより一回り大きい。会場までぶっ壊していいというモリアーティの許可もあるので、普段抑えている分、好き放題できるのである。
新宿のアサシンはいつの間にかアルトリアの姿を捨て、雀蜂の中に紛れ込んでいた。
せ・え・の!(ようやくこの姿から解放されるという安堵感を漂わせながら)
ドレス姿を翻し、女装を解く。
右から二番目の雀蜂、この姿を知っているのはアサシンしかいないはず!
あぁ、全く悪趣味な作戦だよ!
•浪子「燕青(えんせい)」。
中国伝奇小説『水滸伝』の登場人物。
梁山泊に集う百八星の一人である豪傑。序列三十六位天巧星。
中国拳法の一つ「燕青拳」の開祖とされる。人物、李書文と同じく中国拳法の達人だ。
その宝具は瞬速を極める速度で目にも止まらない連続攻撃。一打一打の攻撃が重い中国拳法は、それを連続で叩き込まれれば一溜まりもない。
しかし、この時アルトリアの直感スキルは冴えに冴えていた。
俊敏性は本家のアーサー王よりランクダウンしているが、直感スキルがそれをカバーしている。
自分の姿を大衆に晒して女遊びをしていたことに怒り心頭でもあったので、誰もアルトリアを止められなかった。
アルトリアが聖剣を振り下ろすより先に、ビルの下から衝撃が走った。
普段のぶつかり合いを微塵も感じさせないくらい同時に、二人に担がれて、その場から全力で外に出る。
床が凄いスピードで崩れる中、ジャンプする二人に合わせる。
高度30m。20階建てのビルの崩落する瓦礫を足場にぴょんぴょんと飛び跳ねて、地面を目指す二人。
どうしようもないのでとりあえず目を閉じてじっとしていた。
無事着地。そして、思いっ切り抱き抱えられたので、色々な箇所が痛い・・・。
若干の哀愁を込めるアルトリア。本当に残念だ、と言わんばかりであるが顔は真顔だ。
そして、何事も無かったかのように瓦礫から二人が現れた。
すると、瓦礫の中から続々と生還した者が出てきた。
二人は視線を合わせて、一人の男を睨んだ。
ズドンとモリアーティの魔弾が一人の男に襲いかかる。
血を吐き、男はよろめいた。すると、その姿はアサシン燕青の姿に戻った。
ドッペルゲンガーの能力で、市民に変身していたのだ。
誰に言うでもなくアサシンは過去の自分を嘆いた。
燕青とは歴史上の人物ではなく、水滸伝に登場する架空の存在。
しかし、その人格を持った中国拳法の使い手は確かにそこにいる。
最後に空を見上げ、虚空に手をかざし、新宿のアサシンは姿を消した。
はいはい。(ビル20階からの自由落下直後でそれどころじゃない。)
ライヘンバッハるって何?!
まぁそもそも未成年ですよ。
ギロリと睨む保護者?
遠くから聞こえる野獣の咆哮。それは、あのサーヴァントの復活を意味していた。
新宿のライダー。巨大な狼と首なし騎士のサーヴァント。
その咆哮が、新宿のビル群に反響した。