【FGO】Epic of Remnant 亜種特異点Ⅰ 悪性隔絶魔境 新宿「新宿幻霊事件」【第3節 国道蹂躙モンスター】
歪んだ歴史を修復しようとする時、膨大な取りこぼしが発生する。
排斥された狂気が作り上げた脚本。
忘れ去られた世紀末の神話。
かつてない規模の殺人事件が、亜種特異点となって完成する
完全犯罪計画、起動―――――幻霊よ、背徳の街で踊り狂え。
・前回まで
人形を生み出し、人々を殺戮するファントムと遭遇。
対抗するにもこちらは正体不明のアーチャー一人だけ。
なんとか時間を稼ぎながら、マシュのナビゲートでファントムから逃げることに成功。
それは突然目の前に現れた。
アーチャーの肩に担がれ、ビルの合間を縫うように飛び回る。上下に揺れる感覚がさしずめジェットコースターで気持ち悪い。。。
とりあえず状況はわかった。時速200キロで自分を狙っている怪物がいること。このままでは追いつかれてしまうこと。
だったら対抗するしかない。
すると後方から地の底から響くようなドス黒い雄叫びが響いた。
野生の咆哮。これからここに向かっている怪物の不気味さを一層際立たせる。
ああぇぇ、ロンドンの連続殺人鬼といつもくるくる回って遊んでます。
第六特異点キャメロットで出会った世界最高の探偵シャーロック・ホームズ。短いながらもその会話のさなかに確かに幻霊という言葉を発していたのを覚えている。
そして怪物は目の前に現れた。
今まで見た魔獣の中でも一際大きい巨躯の狼と、それに跨る首の無い騎士・・・。
狼は口にくわえていたものを吐き捨てた。それはどうみても・・・
地響く咆哮と共に狼がこちらに向かってくる。
しかし、俊敏さと攻撃性が相まって、なかなか相手にダメージを与えられない。しかも相手は野生の獣。全てが一撃必殺の攻撃を繰り出してくるので、こちらもおいそれと体制を崩せない。
アーチャーは早々に諦めた。まぁ、この男は頼もしいが戦闘面での火力は、正直あの棺桶頼りだ。
まさか、、、時速200キロ以上で飛ばせと・・・?
そう言い残してアーチャーは自分の前に立ち、狼の注意を自身に向けた。
しかし、いつもの余裕の表情が今の彼にはない。それだけ状況がまずいのだ。
近場の車を探そうと周りを見渡す。すると、突如周囲を煙幕が覆う。
キキー。と甲高いブレーキ音。それに続いてドルンドルンというハイトルクなエンジン音が目の前で鳴っていた。
そこには、黒い騎士王がいた。
あの、その服、私服ですか?
背中を捕まれ、強引にバイクの後ろに乗せられた。そして、「しっかり捕まれ、しゃべると舌を噛むぞ」と脅された後、フルスロットルでバイクは急速発進した。
とりあえず振り落とされないように、彼女の背中から腰に手を回す。こ、これは生きるために仕方のないことなんだ・・・!(至福です。)
ブロロロロ・・・
見慣れた騎士王の背中。だが、見慣れない服装、そしてバイク。景色は新宿。
まるで夢の中にいるようだ。
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