【FGO】第七の聖杯 絶対魔獣戦線 バビロニア【第9節 魔獣母神 9-3】
七度目の聖杯探索の舞台は紀元前2655年。
それは人間が神と袂を分かった最初の時代。
人類を滅ぼさんと結託した「三女神同盟」の魔の手。
ウルクを飲み込もうとする滅びの予言。
絶対的な終焉を前に、今、最大の戦いが幕を開ける-------!
・前回まで
ニップルの救援作戦はエルキドゥの罠によって失敗。さらに、魔獣軍を仕切っている女神、ティアマトが北壁に出現。
その巨体と魔眼の力によって、ウルク軍は壊滅の危機にあった。
「いまは遥か理想の城(ロード・キャメロット)!!!」
マシュの盾はティアマトの石化の魔眼を弾くことができる。
一同、マシュの宝具の中でティアマトの猛攻に耐える。しかし、圧倒的なティアマトの魔力にジリ貧状態だった。
ティアマトはアヴェンジャークラス。その憎悪がそのまま力に変わる。
巨体が唸りを上げて襲いかかる中、サーヴァントが一騎防衛戦線から飛び出した。
ティアマトの攻撃はレオニダスの宝具で防ぐことができた。
跳ね返した炎の盾は、逆にティアマトの全身を包んでダメージを与えた。
マシュは絶句した。
攻撃は防いだものの、魔眼の力までは防ぎきれなかった。
レオニダスの言葉にティアマトは表情を変えた。
レオニダスは動かない。体が完全に石化した瞬間、体がボロボロと崩れていった。
崩れて消えたレオニダスをあざ笑いながらティアマトが視線をこちらから北壁に向けた。
マシュが悔しみを抑えきれずに叫んだ。
もうこちらには戦うだけの魔力がほとんど残っていない。。。
もう止められない。そのティアマトを呼び止めたのは、エルキドゥだった。
不気味なほど静かな静寂が続いた。
エルキドゥの言葉をゆっくり飲み込んでいるようだ。
エルキドゥの言い分はメチャクチャだが、今はそれで納得してもらうしか助かる道はない。
一際大きい声を上げた後、その翼を羽ばたかせてティアマト、いやゴルゴーンは北へと去っていった。
理由はどうあれ、私たちはエルキドゥに助けられた。なぜ彼がそんなことをするのだろう。
エルキドゥの話には筋が通っている。が、そこまでする彼は一体何なのだろうか。
エルキドゥ、いやキングゥは吐き捨てるようにそう言い残し、魔獣達を連れて去っていった。
ニップル市救援作戦は失敗。市民は全員消息不明。
北壁の兵力も大幅に減少。その被害数は、、、数え切れない。
特にティアマト(ゴルゴーン)の存在と、レオニダスを失ったダメージが兵士達の士気を下げていた。
牛若丸の、敵・・・。
弁慶の意思は固く、それを止められる人もいなかった。
牛若丸はニップル市に行ってはいけない。
ギルガメッシュはここまで読んでいた、そのため忠告だったことが今になってわかる。
兵士たちは自ら立ち上がる。それだけレオニダスが残したものは大きく、偉大であったことがわかる。
絶望的な状況下の中、マーリンはもういつもの調子を取り戻していた。
悔しいが、全員が意気消沈している中では、その明るさが頼もしくはある。
できれば序盤から勝ちたいところですが、ここからやりますよ。
そこは怪物の腹の中。
蠢く肉の塊に、牛若丸は捕らわれていた。
美顔が歪む。
聖杯から生まれる黒い泥、汚染された願望の呪いを受けたサーヴァントは姿そのままに全く別の存在になるという。
そこは魔獣軍の本拠地、鮮血神殿。
ゴルゴン三姉妹の末妹、女神メデューサが築き上げた神代の砦。
しかし、今は魔獣を生み出す肉の塊。
痛みに漏れ出す悲鳴と、絶望に啜り泣く声が木霊する暗黒の神殿。