【FGO】第七の聖杯 絶対魔獣戦線 バビロニア【第8節 ウルク北壁 8-2】
七度目の聖杯探索の舞台は紀元前2655年。
それは人間が神と袂を分かった最初の時代。
人類を滅ぼさんと結託した「三女神同盟」の魔の手。
ウルクを飲み込もうとする滅びの予言。
絶対的な終焉を前に、今、最大の戦いが幕を開ける-------!
・前回まで
北壁の向こう側にあるウルク市と同規模の城塞都市ニップル市の備蓄が枯渇しかかっている。
ギルガメッシュの指示のもとニップル市の住民の大規模な救援作戦が決行された。
カルデア一行は無事北壁へ到着。ギルガメッシュの予想通り、道中魔獣たちはほとんど襲ってこなかった。
了解。
ただ、気持ちが入ってないというか、この、なんだろう、、、違和感は。
北壁の街は、魔獣戦線の渦中にある。周囲を魔獣の群で囲まれていてよく城壁を越えて襲い掛かってくる魔獣がいるようだ。
それでもこの街の人たちは逞しく生きている。
カルデア大使館、全員揃ったね。
宝具を魔力の塊としてぶつけて爆発させる現象。
神秘そのものを武器にすることで、爆発は普通の火薬以上の威力を誇る(もっとも、この時代に火薬は無いが)。
壊れた幻想、この攻撃方法を「ブロークン・ファンタズム」と誰かが名付けた。
(まぁ無理もない)
後で見せてもらってもいいかい?
何やら自分のやりたいことがあるようだ。
そう言っていそいそと彼女は地図を探しに階段を降りていった。
夜。
戦いの前の宴もそこそこ、マシュと牛若丸にアルコールを与えないように注意していると、あっという間に時間が過ぎてしまった。
みんな床に伏せたところで、目を覚ました。
実というと寝る気になれなかった。
こういう戦いの前の夜はいつもそうだった。
歴史を覆すかもしれない、人類が滅亡するかもしれない。
自分ではそんなつもりでいたわけじゃないが、それでも、そんなプレッシャーをどこかに感じていた。
北壁で魔術師が一人、遥か彼方を眺めている。
マーリンはアナに優しく声をかけた。もちろん、彼のことだ。最初からここにアナがいると知っていて散歩をしていたのは言うまでもない。
マーリンのそれは優しさ半分、人間への不信半分だ。彼は人間ではない。彼女も人間ではない。どちらかといえば、人間と相対する存在に近い。だからこそ、人の汚い部分、闇を知っている。
いとも容易く、マーリンは自分の感情を否定する。いや、否定するからこそ、彼には元々の感情を持ち合わせていないのだ。
不機嫌そうにアナが言う。マーリンはこれが彼女なりの距離の置き方だと知っていた。
魔術師は言った。願わくばみんながハッピーエンドで終われるように。
しかし、拭いきれない不安も彼の千里眼は感じ取っていた。
夜が更けていく。