【毎日更新】line walker ゲームプレイ日記

毎日欠かさず更新して約11年目・・・・・。FGOとホロライブ・ホロスターズ中心のブログです。

ナンバーズ74「バリアン襲来!驚愕のカオス・エクシーズ・チェンジ!!」


画像付き感想はこちら↓
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 闇がある。



 ずっと光を閉ざしていた闇が。



 ある日、彼女は力に襲われた。



 そして、力に呑まれ、闇を見ていた。



 ずっと一緒だった兄がいた。



 彼女をずっと支えてくれた。



 そのおかげか、その闇は今は晴れた。



 だが、新たな闇がすぐそこまで来ていた………。




 ステージは次の舞台へ。



 セカンドへと続く。











 彼女の夢は




 まだ覚めない。











 それはここじゃない。“どこか”の話。



「人間に力を与え、ナンバーズを奪い、アストラル世界を殲滅させようと考えたが…トロンもフェイカーも“ゼアル”に敗れてしまった。」

「どうするつもりだ?このまま手をこまねいているつもりか?ドルベ」

「今度は我らが直接手を下す。」

「だが、バリアン世界とアストラル世界は共に高次のエネルギー世界。互いに直接干渉はできない。だからこそ人間を使ったのではないのか?」

「それにあの世界じゃ――俺たちは本来の姿じゃいられねぇ!ナンバーズを直接ブン取れねぇじゃねぇか!」

「それでもやるんだ……。我々には、ナンバーズが必要なのだから…。」

「よっと!」

「アリト!」

「オレはベクターみたいになまどろっこしい仕事は御免だぜ」

「――――ギラグ。君が行け」

「俺が?」

「君は勇敢なバリアンの戦士だ。君ならばきっと――――」

「しょうがねぇな――――!!いっちょナンバーズを根こそぎいただいてくるぜ!」

「頼んだぞ……ギラグ……」



 それはここじゃない。どこかの話。




・・・・・




遊馬「あ――――。」


 そこには巨大な扉があった。いや、門と呼んだ方がいいだろう。何かを閉じ込めていた巨大な門。鎖でがんじがらめにされた巨大な門が、彼の歩む先に立ちふさがっていた。


 あるいは―――。彼が門に導かれたのかもしれない。



『この扉を開くモノは、新たなる力を得る。しかしそのモノは代償として、“一番大事なモノ”を失う―――。』


 巨大な門に施された装飾は、巨大な顔に見えた。無数に鋭い牙が描かれ、大きな眼は不気味な光を宿して彼を睨みつけていた。


遊馬「オレの―――“一番大事なモノ”?」


 彼は門に聞き返す。門は重たい声でそれを肯定する


『そう。お前は一番大事なモノをやがて失う――――。』


遊馬「一番大事なモノって―――――………。」


 その迫力に彼は無意識に後退する。しかし、脆い足場は彼の心の隙間を読み取ったかのように、簡単に崩れ、彼の身体を闇へ放り出した。


「う……うわあああああああああ!!!」









遊馬「ぐあ!」


 アストラル世界の命運を賭けたWDC(ワールド・デュエル・カーニバル)も一段落し、無事に元の学園生活に戻った九十九遊馬(つくも ゆうま)は、イスから転げ落ちた拍子に夢が覚めて鈍い声を上げた。


遊馬「いってて……」


 授業中、クラスの笑い声に囲まれて、ぼんやりした意識を身体を起こしながら取り戻す。


遊馬「――――あれ」


 眠たい目を開けて曇った視界に光を取り込んでいると、授業終了のチャイムが景気良く鳴って、今日の授業が終わった事をようやく把握した。


小鳥「もう―――本当に馬鹿なんだから」


 隣の席で小鳥が呆れたように定型文と化したお決まりの台詞を言う。


遊馬「しょうがねぇだろ―――」

小鳥「しょうがなくないでしょ?いっつも授業中、居眠りしてるからよ」


 はぁ。とため息をついたのは、遊馬の机を囲んでいる鉄男、徳之助、等々力の3人だった。


遊馬「まぁ、授業も終わったし。デュエルの時間―――」

「「「「「キャーーーーー!!!!」」」」」


 遊馬が呑気に頭の中で放課後の予定を立てていると、廊下から女生徒達の黄色い歓声が飛び込んできました。


「ゆーまくん!!」

「可愛い〜!!」

「WDCのチャンピオン〜〜!」

遊馬「あっはははははは――――。」


 あっという間に遊馬を取り囲んだ女生徒達。遊馬が優勝したWDCは、全国各地から実力のある有名デュエリストが参加し、その頂点を決める戦いの場でもあった。それを無名のルーキーが勝ち取った(アストラルの力も大いに関わっているが)という事で、この賑わいなのであった。


徳之助「遊馬凄い人気ウラ…」

鉄男「地球が滅びる前兆だな…」

小鳥「もう、遊馬ったらデレデレして〜〜〜」

キャッシー「うぅ……許せニャイ……」



遊馬「っよ〜〜し!わかりました!オレのサインなら並んだ並んだ!デュエルカーニバルのチャンピオン、九十九遊馬チャンはどこにも逃げないからね〜〜〜!」


 すると、女生徒の一人がサイン色紙を取り出して、遊馬に差し出します。


「ねぇ!シャーク様のサイン貰ってきて!」

「私はカイト様!」

「私も!」

「私はIV様!」

「ファンレター渡して!」


遊馬「え………。」




・・・・・



 世界はどこまでも広く、どこまでも雄大。かつて、遊馬の父一馬はこの世界を巡っていた。しかし、この雄大な世界も別の世界からの介入によって徐々にバランスを崩し始める。

 新たな世界の危機。鍵を握るのはナンバーズ。アストラルの記憶と世界を賭けた闇のデュエル。

 復讐、心の闇、孤独、失う恐怖、様々な感情を経験して彼は、彼らは成長する。


 デュエルは新たなステージへ。そこで待つのは新たな出会い。そして、戦い。


 カードとカードで語り合う。絆のオーバーレイネットワーク。遊戯王の世界の扉は、新たなセカンドステージへ!!











いまはじまるのさ
ずっと胸に描き続けてたStory
この想い タ・ギ・レ!



闘う準備はできている 
震える胸に耳を澄まして
ずっとそのときを待っている


負けることもあったけど
そのたびにまた立ち上がれた
また強くなれた


 信じればいいさ 
 今までよりも“いま”を
 限界なんてもん ゆうに超えろ


  いまはじまるのさ
  ずっと胸に描き続けてたStory
  この想い タ・ギ・レ!

  この手にある
  切り札を強く握りしめて
  折れないハートで 夢に向かうんだ!










ナンバーズ74「バリアン襲来!驚愕のカオス・エクシーズ・チェンジ!!」



アストラル『デュエルカーニバルで集まったナンバーズは…50枚。』


 遊馬の父一馬が残した皇の鍵。その鍵を通してこの世界にやってきたアストラル。鍵を通して遊馬と通じ合う事ができる彼は、ナンバーズを皇の鍵の中にあるモニュメントに組み込む事でその記憶を再び呼び戻す事ができる。


アストラル『このナンバーズに…ワタシを導く“何か”が……』


 新たに手に入れたカード達が光輝いてアストラルを包み込む。


アストラル『――――これは……!』








・・・


遊馬「まったく。デュエルカーニバルに優勝したのはこのオレだっつーのに!あいつら」


 先ほどから拗ねた様子で小鳥と一緒に学校から家へ向かう遊馬。


小鳥「あ〜ら、でも意外と楽しそうだったじゃない?」

遊馬「んなコトね〜!それに、鉄男達もさっさとどっかに行っちまいやがって……。おかげで今日はデュエルやり損なったじゃねぇか〜〜〜」


 ムっとして子供のように頬を膨らませる遊馬。デュエルは彼の日課であり、日常でもある。昔は鉄男達に歯が立たなかった遊馬だが、大会を通して実力もついてきた最近では、なおやる気になってウズウズしていた。


小鳥「ふふ。なんかね、鉄男くん達秘密の特訓してるみたい。」

遊馬「特訓?」

小鳥「えぇ。みんな遊馬に負けてられない―――って、学校に残って…」

遊馬「えぇ〜!なんだよあいつら〜。オレに黙ってよ〜…」

小鳥「いいじゃない、たまには。……あれ?そういえばアストラルは?今日は見てないよね?」


 アストラルと出会った当初、遊馬にしか精神体のアストラルは見えていなかったが。長いことデュエルを通して共に遊馬を見てきたカイト、シャーク、そして小鳥には、いつの間にかアストラルの姿が見えるようになっていた。


遊馬「あいつ、最近ずっと鍵の中にいるんだよ……。まぁ……うるさくなくていいけど……。」


 全然良くない―――っという顔で遊馬は小鳥に説明する。


遊馬「ん?」


 キィーン。と甲高い音が遊馬の後ろの方から徐々に大きくなっているのに気づき、それがDホゲフンゲフン、シャークのバイクの音だと遊馬はすぐにわかりました。


遊馬「シャーク!おい、シャーク!」


 だだっと、土手を降りてシャークの前へ出る遊馬。向こうも遊馬に気づいたのか、遊馬の前でバイクを停めます。


遊馬「もう怪我はいいのかよ?」

シャーク「…あぁ。」


 WDC準決勝。復讐に燃えるトロンのナンバーズに洗脳された彼は、その身を焼かれるほどの苦しみと共に、数々の物理的衝撃をその身に受けて、一時期はデュエル続行すらままならない程の重傷を負っていた。



遊馬「どこ行くんだよ?なぁ、デュエルやらねぇ?」

シャーク「悪いな、オレは今から妹の所へ行く」

遊馬「妹って―――、じゃあ病院へ…?」


 シャークこと神代凌牙(かみしろ りょうが)の双子の妹、神代璃緒(かみしろ りお)は、数年前にトロンの復讐の計画の一旦としてやってきたトーマ……IVとの闇のカードを使ったデュエルで重傷を負い、現在まで意識が回復しない状況が続いていた。

 トーマ……IVへの復讐心は消えたシャークは、今は一刻も早く妹の意識が戻ってくれることだけが気がかりとなっていた。


シャーク「デュエルカーニバルは終わった……。だが、あいつはまだ……。」

遊馬「シャーク……」


 シャークの傷は完全には癒えていない。それは心の傷。遊馬にも、その苦しさはわからなかった。








・・・・・





風魔「俺は強大な力を手に入れるぜぇ。誰よりも強大な力をなぁ……」


 不良の溜まり場があった。いや、不良と呼ぶのも幼稚過ぎるぐらい、行き過ぎた連中がそこに日がな一日集まっていた。

 誰からも見捨てられた落ちこぼれ、そんな集団が集まったその地区は、街の住人は決して立ち寄らず無法地帯と化していた。

 やがて集まったゴロツキ達は、その有り余る凶暴性を犯罪に向け、街の人々を脅かしていた。



 現金輸送車を襲撃し、大金を前に一人満悦していたのは、ゴロツキを束ねているヘッドの風魔だった。


風魔「あん?」


 そして、幸か不幸か、数奇な巡り合わせか。そんな彼らの元に次元の狭間から男が現れた。




璃緒「あぁ!!!」



シャーク「―――――!!」

遊馬「これは――――!!」


 体の奥底から来る嫌な感じ。俗に云う虫の知らせが二人の脳裏を巡った。












・・・・・・



 ハートランドシティ中央ハートランドのコンピュータルームで突如アラームが鳴り響く。人気の無いその部屋に一人の青年が、飛び込んできた。


カイト「何事だ!オービタル!!」


オービタル『カイト様!ベイエリアポイント3013デ、重力波ニ異常発生!』

カイト「何!?まさか―――。」



 モニターに映し出された反応は、これまで父フェイカーが研究していた異世界に通じる現象に酷似していた。瞬時に状況を把握したカイト自身、嫌な予感が脳裏を巡る。





・・・・




小鳥「ど…どうしたの?」


 突然二人の動きが止まった事に小鳥が驚いて様子を伺う。


遊馬「今の感覚……なんだ……一体……。」

シャーク「――!」


 その時、鳴り出したDゲイザーをシャークが取り出す。病院からの呼び出しだった。


遊馬「シャーク……!?」







・・・・・・




 そして、男は重力波に包まれてゴロツキの前に姿を現した。



風魔「なんだ…?」


ギラグ「はぁ……。ここが九十九遊馬ってヤツがいる世界か。」

「誰だ?てめぇは!」

ギラグ「なんだか汚ねぇトコロだな……。空気も悪いし、ゴミゴミしてやがる。ま、虫ケラが住むには丁度良い場所だがな。」


 男はここじゃない“どこか”から来たのだ。一見遊馬たちと同じ制服を着ているが、年の割には(実年齢は不明だが)大きすぎる体躯に図太い声、そして何よりゴロツキを前に挑発的な態度をとっていた。


風魔「舐めやがって………ブっ潰せ!!」


「「「「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」」」


 風魔の一言で、男を囲んでいたゴロツキが一斉に襲いかかる。皆手には金属バットや鉄骨、角材などを握っていた。


ギラグ「ふん。」


 先頭にいたゴロツキが男にバットを振り下ろすと、当たる直前に男の姿が消え、一同は驚愕する。


「な、何!?」

「どこ行きやがった!?」


ギラグ「ここだ。ここ」


 すると、瞬間移動したかのように、次の瞬間には男は集団の中に紛れていた。再びゴロツキ達は男の方に向き合うが、視線を寄せる度に男は信じられない速度でゴロツキ達の間を弄ぶように動いていた。


風魔「なんだ……?何が起こっている……?」


ギラグ「フフフフフ。」


風魔「うおおぉぉぉぉぉぉ―――!!」


 下っ端の間を抜けて、いつの間にか男は風魔の目の前に立っていた。得体の知れない男は不敵な笑みを浮かべている。思わず風魔は反射的に男の顔に渾身の右ストレートを入れた。メリケン付きのこの拳は、数々の猛者を一撃を葬ってきた実力がある。確実にクリーンヒットし、男の顔面に十分な手応えを感じて、思わず風魔は顔がにやけた。


風魔「ど、どうだ……。」


ギラグ「フフフフフフ。可愛い目してるな?」


 しかし、男は鼻血どころか、傷一つ負った様子は無く、蚊でも止まったかのようにピンピンしていた。


ギラグ「俺は好きなんだよなぁ……。怯えた小動物の様な目をしてる奴がよぉ……」


 そのまま男は風魔の顎を鷲掴みにし、そのまま片腕だけで持ち上げてしまった。普通により大きい男の体躯より、さらに風魔は大きいハズだが、当人は唸り声を上げる事しかできずに、男に言いように弄ばれていた。


ギラグ「お前達……力が欲しいんだろう?だったら、お前達に力を分けてやる!」


 どんっと鈍い音がした。男が風魔の顎を離し、風魔が崩れ落ちた音だ。


ギラグ「チンケな力じゃねぇぞ。もっとデカい力だ!」


 そう言って男は、魔法カードを掲げた。男が掲げた瞬間、カードは不気味に赤く輝きを放ち始める。その輝きはかつて、トロンが使っていた闇のカード《アンゴルモア》が放っていたあの輝きと同じ――――バリアン世界の輝きそのものだった。


ギラグ「バリアン世界のために働くのだ!!バリアン世界のために!!!」


 ゴロツキ達はその光に目を奪われた。不思議と目が離せない。離す事ができない。そして、何者かが語りかけてきた。やがて徐々に意識が薄れ、頭の中には“バリアン世界のために”。その言葉だけがいつまでも響いていた。




・・・・・



アストラル『ナンバーズがワタシに何かを伝えようとしている……。』


 気づけばアストラルは、今まで回収したナンバーズ達に囲まれていた。


アストラル『今までとは違う記憶……。そう、何かとても重要な記憶を――――。』


 手にすれば心の闇が増幅されるカード。憎悪、後悔、嫉妬、執着、固執、殺意。それらの願いを叶えようと取り憑かれた人間は力を求める。ナンバーズの強大な力を。




・・・・・



 沈み行く夕陽は黄昏を映す。


 いつもは静かな部屋は騒がしく会話が飛び交う。



シャーク「リオ!!」


医師「30分ほど前から容態が急変しました。君!ICUの用意を!」

看護師「はい!」



 病院からの連絡を受けて急いでかけつけた頃にはもう陽は傾いていた。慌てた様子で部屋を出た医師達と入れ替わりに、シャークに同伴してきた遊馬と小鳥も部屋に入った。窓から差し込む夕陽は、寝台の清廉そうな少女の体を神秘的に映していた。

 初めてみるシャークの妹。目元に巻かれた包帯で、彼女が起きているのか寝ているのかはわからないが、苦しそうに悶える姿は、悪夢に犯されているように見える。


シャーク「リオ!」

璃緒「くる……。」

シャーク「え……?」

璃緒「わざわいが……くる……」


 悶える苦しみから零れる吐息混じりに、彼女は確かにそう呟いた。


小鳥「災い…?」

璃緒「くる!!やつらが!!だいじなものを奪いに!!」


「「「!!!??」」」


 それは呟きから訴えに、そして、警告へと変わる。


シャーク「奴ら…?」


 意識の無い少女は、身を捩りながら誰に言うでもなくそう叫んだ。


遊馬「大事なモノ――――――あ!」





『この扉を開くモノは新たなる力を得る。しかしそのモノは代償として、一番大事なモノを失う……』




 数時間前に聞いたばかりのそのフレーズが、遊馬の頭の中で繰り返されます。


遊馬「 オレの一番大事なモノ……。オレの………アストラル!!? 」


 皇の鍵の扉を開いて、遊馬はアストラルと出会った。そして、希望皇ホープという力をそこで得る。しかし、ホープを含めたナンバーズという強大な力を賭けた戦いは、同時にアストラル自身を賭けた戦いへと変わる。ナンバーズを失えばアストラルも失う。それが力を得る事と失う事な気がして、遊馬は思わず皇の鍵をきゅっと握り締めた。


遊馬「 まさか――――お前が―――――!? 」


 再びアラームがして遊馬の思考は止まる。


鉄男「鉄男からだ…」


 Dゲイザーの液晶で、着信相手を確認しながら、遊馬は通話ボタンを押す。



風魔『ふっふっふ。貴様が九十九遊馬か』


 しかし、Dゲイザーに映し出されたのは鉄男の顔ではなく、目つきの悪い大男の顔だった。


遊馬「誰だお前!!」

鉄男『遊馬!』

遊馬「―――!鉄男!?」


 咄嗟に聞こえた鉄男の声に遊馬は必死に言葉を返す。


鉄男『遊馬!来るんじゃねぇ!いいか!来るんじゃ―――』

風魔『らぁ!!』

鉄男『ぐあ!』


 一瞬男の前に鉄男の顔が映り、遊馬に向かって忠告をするも、すぐに男に払いのけられてしまう。


遊馬「鉄男!!鉄男!!」


風魔『お前の全てを奪ってやる。今すぐ学校へ来い!ナンバーズと共にな……』

遊馬「ナンバーズ……」


 遊馬が先ほど感じていた予感が的中した。アストラルを失う予兆。そして、ナンバーズを狙う奴。


風魔『来なければお前のお友達がもっと傷つく事になる。ハッハッハッハッハ!!――――』


 男の冷徹な笑い声を最後に、通信が途切れる。


小鳥「何なの……一体何が起きているの…?遊馬……。」

遊馬「ナンバーズ……やっぱり、アストラルを狙いに……」

小鳥「アストラル?」

遊馬「なんだかわかんねぇけど、アストラルを奪おうとしている奴らが来ている―――。」


 思わず小鳥も皇の鍵を見つめる。すると遊馬は鍵をぎゅっと握って首から外し、小鳥にそれを差し渡した。


小鳥「―――。」

遊馬「小鳥、これを持っていてくれないか?」

小鳥「―――でも、アストラルがいないとホープが……」


 遊馬が扱うナンバーズは、アストラルの持つカード。アストラルが宿る皇の鍵を身につけて初めて遊馬はナンバーズを呼び出せる。


遊馬「アストラルは誰にも渡さない。あいつを守ってやれるのは…オレだけなんだ!」


 半ば小鳥に無理やり押し付ける形で鍵を預けた遊馬は、そのまま病室を飛び出して行った。


小鳥「遊馬!」


シャーク「待て!オレも――――…!」


 飛び出して行った遊馬をシャークは追おうとしますが、眠っているハズの璃緒の手がシャークの手を震えながら握っている事に気づきます。


シャーク「リオ………。」

小鳥「遊馬……。」




・・・・・



遊馬「 アストラル……お前を誰にも渡したりするもんか!オレが、必ずお前を守ってやる!! 」


 鉄男達といつもデュエルしている学校近くの広場に到着した遊馬。そこには、自分達のデッキをバラバラに散らばらせたまま倒れている鉄男、等々力、徳之助、キャッシーがいました。


遊馬「みんな!!」


 急いで駆け寄る遊馬。


遊馬「おい!大丈夫かよ!みんな!」


キャッシー「ごめんなさい……。遊馬のためにみんなで頑張ったんだけど……。あいつ…強くて……」

鉄男「遊馬……。来るなって言ったのに……」


遊馬「お前達を放っておけるかよ!」


 その時、広場が見える通路から呼び出した大男が遊馬を見下ろしていました。


風魔「ふっはっはっはっは。来たか九十九遊馬。さぁ、お前のナンバーズを全て渡して貰おうか!」


大男は、そのまま通路から広場で着地し、改めてその大きな体躯で遊馬に向き合います。


遊馬「誰だお前!!どうしてナンバーズを狙う!!?」

風魔「俺は大いなる力をバリアンより与えられし者……。」


 風魔の目がバリアン世界独特の赤い光を宿します。


遊馬「バ……バリアン!?」

風魔「貴様にはバリアン世界の礎となって貰う。九十九遊馬!!」

遊馬「どうして……あの時……倒したハズじゃ――――」



WDC最後に立ちふさがったカイトとハルトの父Dr.フェイカー。しかし、彼自身もバリアンに利用され、最終的にはバリアン世界の者に身体を乗っ取られ、遊馬、カイト、シャーク3人の前に現れました。

アストラルと合体し、ゼアルの力を使って遊馬はバリアンを倒す事に成功。フェイカーも呪縛から解け、全てはまるく収まったハズでした。


風魔「あの戦いは序章に過ぎない……。既に新たな幕は切って落とされた!」

遊馬「上等だバリアン、受けて立つぜ!!」




デュエルディスク、セット!』

『Dゲイザー、セット!』


「「デュエル!!!」」









・・・・・




 一馬の意思が宿る皇の鍵は、遊馬の体にあって初めて機能する。遊馬の元を離れて小鳥の手元に移ってしまった事で、アストラルは鍵本来の中から追い出され、虚空な砂漠に佇んでいた。


アストラル『皇の鍵が閉ざされた……。一体何が…。それにこの感じ、デュエルが始まったようだ…。遊馬……。』




・・・・・


 天候が荒れ始める中、デュエルの幕が開ける。



キャッシー「キャットビングよ!遊馬!」


風魔「さぁ行くぜ、俺のターン、ドロー!!」


○「俺は《デビルモーター》を召喚!」


《デビル・モーター》
☆3/闇属性/機械族/ATK 400/DEF 400
このカードがエクシーズ素材となった時、相手ライフに400ポイントダメージを与える。


○「さらに俺は魔法カード《ダーク・エンジニアリング》を発動!!このカードは自分フィールドにいるレベル3の機械族モンスター1体と同じ名前のモンスターを、手札から特殊召喚する!!」


《ダーク・エンジニアリング》
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する機械族・レベル3モンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの同名モンスター1体を手札から特殊召喚する。


「現れろ!もう一体の《デビルモーター》!!」


遊馬「く―――。レベル3のモンスターが2体……。来るのか!?」


「俺はレベル3の《デビルモーター》2体でオーバーレイ!!」

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」


「現れろ!!《機装天使エンジネル》!!!」


《機装天使エンジネル》
ランク3/?属性/?族・エクシーズ/ATK1800/DEF1000
レベル3モンスター×2
自分フィールド上に攻撃表示で存在するこのカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。このカードを守備表示に変更し、戦闘では破壊されない。
(テキスト未確定)



遊馬「1ターンでもうエクシーズ召喚を!?……だが攻撃力は1800。これなら―――。」


○「ふっふっふ。安心するのはまだ早い。俺はオーバーレイユニットとなった《デビルモーター》の効果発動!!こいつがオーバーレイユニットとなった時、相手に400ポイントのダメージを与える!!」


遊馬「な、何!?」

風魔「《デビルモーター》は2体!800ポイントのダメージを喰らえ!!」



遊馬「ぐあああああああああああああ!!!!」



 激しい衝撃が遊馬の体を突き抜ける。通常のデュエルでは発生しない実際の痛み。それは遊馬の体を通してアストラル自身にも伝わっていた。


アストラル『うああああああああああああ!!!』


遊馬LP4000→3200


○「ふっふっふ。俺はこれでターンエンド」


風魔「九十九遊馬、どう抗っても無駄だ。バリアンの力の前では貴様は無力……。ふーーっはっはっはっは!!」


遊馬「 く――――。ホープが…ホープが使えたら……。―――いや、このデュエルはオレだけの力で………。アストラル、あいつはずっとオレを助けてくれた。だから、今度はオレがどんな事をしてもあいつを守ってやる番なんだ! 」



遊馬「いくぜ!オレのターン、ドロー!!」







・・・・・



アストラル『く…。遊馬はナンバーズを賭けたデュエルを……。』


 自分の知らないところでナンバーズと戦っている。それに気づいたアストラルの元に、一枚のカードが現れます。


アストラル『ホープ…。まさか遊馬のところへ……。』


 光になったカードはそのまま皇の鍵から直接遊馬のデッキケースへ。



・・・・・


遊馬「あ―――!」


 そして、輝くデッキケースにいつもの光を見て、遊馬は初めて気づきます。


遊馬「 来てくれたのか、ホープ――――――! 」




●「オレは《ゴブリンドバーグ》を召喚!!このモンスターが召喚された時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚できる!!」


《ゴブリンドバーグ
☆4/地属性/戦士族/ATK1400/DEF 0
このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる。この効果を発動した場合、このカードは守備表示になる。


●「オレが呼ぶのはコイツだ!!現れろ!!《バチバチバチ》!!」


《バチバチバチ》
☆3/光属性/昆虫族/ATK 800/DEF 800
このカードをエクシーズ素材としたモンスターエクシーズ1体が守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。


●「さらにオレは魔法カード《プラス・スター 123》を発動!!このカードは、レベル4以下のモンスターのレベルを、1から3までプラスする事ができる!!」


《プラス・スター123》
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するレベル4以下のモンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターのレベルを1から3の任意の数だけ上げる。


「オレは、《バチバチバチ》のレベルを3から4にアップ!」


《バチバチバチ》
☆3→4



「オレは、レベル4の《ゴブリンドバーグ》と《バチバチバチ》でオーバーレイ!!」

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!!」


「現れろ!!《No.39 希望皇ホープ》!!!」


《No.39 希望皇ホープ
ランク4/光属性/戦士族・エクシーズ/ATK2500/DEF2000
レベル4モンスター×2
このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。そのモンスターの攻撃を無効にする。
(※アニメ効果)


風魔「出たな希望皇ホープ……。」


●「いっけぇホープ!!エンジネルに攻撃!!」


○「俺はエンジネルの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このカードを守備表示にして、バトルの破壊から守る!!」


●「《バチバチバチ》の効果発動!!このカードをオーバーレイユニットとしたモンスターエクシーズが守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を上回っていれば、その分のダメージを相手に与える!!」


風魔「何ぃ!?」


「いっけぇ!!ホープ!!“ホープ・剣・バチバチバチ・スラッシュ”!!!」




風魔「ぐ―――ああああああああああああああ!!!」


風魔LP4000→2500



キャッシー「やったー!遊馬ぁ!その調子―!」

徳之助「頑張れー!遊馬ー!」





ギラグ「九十九遊馬……。なかなかやるな…。だがアストラルがいねぇじゃねぇか…。どーいう事だ?」





 建物の上から広場のデュエルを傍観するギラグ。風魔を操り、遊馬のナンバーズを狙います。



遊馬「どうだぁ!ホープの力を思い知っ―――。」


風魔「ふっふっふっふっふ………。」


遊馬「!?――――何がおかしい!」


 突然笑い出す風魔。すると、赤い光の眼光と共に、額に謎の紋章が現れます。


風魔「待っていたんだよ、お前のホープを!!」


風魔「俺のターン、ドロー!!見るが良い!!これがバリアンの力――――!!」


○「俺は手札から《RUM(ランクアップマジック)−バリアンズ・フォース》を発動!!!」


遊馬「バリアンズ・フォース!!??」


風魔「このカードは自分のモンスターエクシーズをランクアップさせ、カオスエクシーズを特殊召喚する!!」



「俺はランク3のエンジネルと、オーバーレイネットワークを再構築!!!」


《RUM−バリアンズ・フォース(ランクアップマジック−バリアンズ・フォース)》
通常魔法
自分フィールド上のモンスターエクシーズ1体を選択して発動する。選択したモンスターよりもランクが1つ高い「CX」と名のついたモンスターエクシーズ1体を、自分のエクストラデッキから、選択したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚できる。この効果でエクシーズ召喚したモンスターエクシーズは「戦闘では破壊されない効果」を無効にする。また、相手フィールド上に存在するモンスターエクシーズ1体を選択して発動できる。選択したモンスターのエクシーズ素材全てを、このカードの効果でエクシーズ召喚したモンスターエクシーズの下に重ねてエクシーズ素材とする事ができ、選択したモンスターの攻撃力は、このカードの効果で奪われたエクシーズ素材の数×300ポイントダウンする。



「カオス・エクシーズ・チェンジ!!!」



「混沌より生まれしバリアンの力、汚れし世界に裁きを下さん!!《CX 機装魔人エンジェネラル》!!!」


《CX 機装魔人ンジェネラル》
ランク4/?属性/?族/ATK2600/DEF1600
このカードが相手プレイヤーに戦闘ダメージを与えた時、このカードのエクシーズ素材を任意の数だけ取り除いて発動する。取り除いたエクシーズ素材1つにつき、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。
(テキスト未確定)



遊馬「カオス・エクシーズ!?」


鉄男「何だこのモンスターは!!」

等々力「モンスターエクシーズのランクが上がった!?」

徳之助「こんなの見たこと無いウラ!!」


風魔「これが貴様を地獄へ送るバリアンの力、見るが良い!!」


○「バリアンズ・フォースの効果発動!!CXがバリアンズ・フォースの効果で特殊召喚した時、相手のモンスターエクシーズ1体のオーバーレイユニットを全て吸収する!!」


遊馬「何!!?」


「“カオス・ドレイン”!!!」


鉄男「ホープのオーバーレイユニットが……」

徳之助「全て奪われたウラ!!」


遊馬「く――――!これでホープの効果は使えない―――!」


○「まだだ!!オーバーレイユニットを奪われたモンスターは、1つにつき、300ポイント攻撃力が下がる!!よって600ポイントのダウンだ!!」



《No.39 希望皇ホープ
ORU2→0
ATK2500→1900



遊馬「ホープ!!!」


風魔「バリアンの力、CXの前では貴様のモンスターは無力!!」




アストラル『遊馬……。』


小鳥「遊馬――――」




風魔「終わりだ九十九遊馬!!貴様からナンバーズを全て奪い尽くしてやる!!!」






 全ては序章に過ぎない。

 崩壊はここから始まる。

 「RUM(ランクアップマジック)」により強化されたモンスターエクシーズ。バリアンの力に対抗するために、今再び遊馬とアストラルが立ち上がる。












 目には目を、混沌には混沌を!


 組み上げた方程式、アストラルが狙う勝利の計算。


 諦めずに立ち向かう、遊馬が目指すかっとビングの真骨頂。


次回「勝利の方程式よ揃え 打ち砕けカオスエクシーズ!」




















以下突っ込み。


 鍵を握るはシャークの妹!?

 中学生には見えないギラグ!?

 OPには闇川さん!?

 そしてナンバーズ107……。

 EDのカイトはどう見ても14歳。

 そしてシャークは18歳。

 仮面の下の差し替え来るか―――。

 実は今回かっとんでない主人公。



 伏線だらけ、ネタバレだらけの展開。


 ここまでお付き合い下さいありがとうございました。


 という訳で次回もよろしく。







折れないハート

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