Fate/stay night(17)
表紙の神父が半端無い17巻です。
内容は・・・グっと来ます。これがFateだこらー!ってくらい。たぶん、ここが物語の一番のピークなんでしょうな。
聖杯によって滅びた国やり直す。セイバーがアーサー王として生きた証をそれは否定する事。そこには救いの無い、今のアルトリア自体を否定する人生を願う事。
しかし、そんな少女を愛してしまった士郎。だからこそ、自分が間違っているなんて、間違っている。騎士王であったセイバー、少女であったセイバー、アーサー王だったセイバー、アルトリアだったセイバー。その全てを士郎は愛してしまったからセイバーの願いは志郎には苦しい想いなんでしょうね。
そんな二人想いは戦いを通してなんとなく伝わっていたのかもしれません。それでもどちらも同じくらい頑固なので、中々言葉にできないのですが・・・。
そういう意味では言葉にできなかった士郎とZeroで言葉にしなかった切嗣。対極であれば紙一重の感情だったのかもしれませんね。だって、どちらも正義の味方志望なんですから。
そして、物語はクライマックス。10年前の大火事の精算。黒幕(というかまぁ神父だけど)が語る聖杯戦争の闇。残されたサーヴァントとマスター。そして、自分の罪を説く神父の非情な言葉。救いが無いから求めればいい。そのための聖杯なのだから。
10年前の火事で失った多くの命。唯一生き残った自分。焼け焦げる木の臭いと肉。掠れる声で轟炎の中から聞こえる叫び声、助けを求める声。
自分だけが助かってしまった罪、他人を見捨てて生き残ってしまった罪、そんな自分さえも否定する罪。
こんな時に限ってアーチャーの言葉が頭に響きます。「自分一人救えない者が他人を救うなどできるものか。」と。
もし。聖杯が。その火事を、その命を、切嗣に拾われる前の衛宮じゃなかった頃の自分を、やり直せるなら・・・。
万能の願望器と謳う聖杯。
士郎が選ぶ選択とは――――。
Fate/stay night (17) (角川コミックス・エース 150-18)
- 作者: 西脇だっと,TYPE?MOON
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/12/21
- メディア: コミック
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